■もの忘れ・認知症 専門外来■のご紹介■もの忘れ・認知症 専門外来■のご紹介■パーキンソン病・■パーキンソン病・本態性振戦■のご紹介本態性振戦■のご紹介(7)Uzumasa Healthy Newspaper脳神経内科(特別号 No.85)図1 高次機能検査:時計描写テスト 治療には、世界的に研究が進んでいる行動変容療法(種々の生活習慣を変えていくことで脳機能の低下を防ぐ治療)と薬物治療の二つがあります。現在、この二つを組み合わせていく方法がベストと考えられています。 両方の病気とも、薬で症状を改善させることが出来る病気で、これらの病気も画像検査を含めた正確な診断が必要です。また、アルツハイマー病と同じように行動変容療法やリハビリテーションが重要です。(赤字は本態性振戦の患者さん)図2 描画テスト図3 パーキンソン病の姿勢・歩行障害太秦病院脳神経内科より手・足・頭の「ふるえ」手・足や頭のふるえで、困っているという方も多いのではないでしょうか? ふるえる病気は、二つの病気がほとんどを占めています。何か動作をするとき(例えば、字を書くとき、お箸を持つときなど)にふるえる動作時振戦が特徴の本態性振戦と、じっとしているときにでもふるえる安静時振戦が特徴のパーキンソン病があります(図2)。また、パーキンソン病には、ふるえ以外にも特徴的な姿勢・歩行障害が見られます(図3)。治 療治 療「名前が出てこない」「朝食の内容が思い出せない」など、もの忘れを心配されている方も多いのではないでしょうか? しかし、もの忘れには、心配のいらないもの忘れと、病的なもの忘れの二つがあります。簡単に言えば食べた物だけでなく、食べたこと自体を忘れるエピソード記憶の障害は病的になります。 また、「認知症」には、アルツハイマー病のほか、脳血管性、レビー小体病など多くの病気があり、それらを総称して認知症と呼んでいます。正確な診断が出発点 確定診断となるのは、神経病理所見と対応した脳血流シンチ、PET(大脳皮質の活動性を鋭敏に捉える機能的画像診断)所見です。 当院のK医師は、約半世紀前にすでに研究が開始されていた北米のアメリカ・カナダの国家的プロジェクトに参加し、PETと確定診断となる脳の病理学的所見(神経病理)との対比研究を行なった結果、アルツハイマー病、ピック病(前頭・側頭型)の世界で最初の論文発表を行ない、PETでブドウ糖代謝の低下部位と神経細胞の脱落〜障害部位が一致することを証明しました。現在では、さらにこの研究は発展を遂げ、統計的解析でより正確な診断を行うことが出来るようになっています(現在、太秦病院、京都先端科学大学、御池クリニックで診断、研究が行われています)。※K医師は、神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病など)の根本的治療につながるかもしれない神経移植の実験を留学時代に開始し、京都大学では初めてとなる研究に従事しました。そして、移植神経細胞の神経線維がどこまで伸びてゆくかを免疫組織学的に証明したのは世界で初めてでした。
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